今までに訪ね歩いた場所についての備忘録。
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アンドレ・シトロエン公園はパリ・セーヌ河のほとり、自動車メーカー・シトロエンの工場跡地に作られた公園で、1992年に開園している。

初めてパリを訪れた1992年当時、インターネット等という便利な情報源が無かったためこの公園の存在を知らず見過ごしてしまい、その10年後にやっと訪れることが出来た思い出深い場所。

この公園を作るにあたって1985年、国際コンペ(競技)が行われた。本来ならば一つの案のみが選ばれるところを、上位2つの案があまりに似通っていたため、 2つの案を組み合わせて設計されたという変わった経緯を持つ。90年代を代表するランドスケープの一つだと言えるだろう。

公園は幾何学的な構成になっており、広い芝生広場と、それぞれテーマを持った小さな庭の組み合わせで形づくられていて、噴水や滝などの水景、「パルテール」と呼ばれる繊細な温室などが配置されている。

小さな庭は橙・赤・青・緑・銀・金・白・黒といった色で分けられており、それぞれに工夫を凝らした植栽が行われている。

特に最初の6色の庭は「集列の庭」と呼ばれ、金・銀・銅・鉄・水銀・錫の6種の金属、もしくは視覚・嗅覚・味覚・触覚・聴覚に第六感を合わせた6つの知覚になぞらえられている。
中でも銀の庭は銀色がかった葉の植物が集められ、詩的な雰囲気を漂わせる(写真左上・右下)

フランスには17世紀に完成した「フランス式庭園」と呼ばれる眺望の良い幾何学的な庭の伝統があるが、この公園はその伝統を上手く現代に蘇らせた好例だと思う。

フランス式庭園には装飾的な刈り込みや、遠近感を強調する高木の刈り込みがつき物だが、右上と左上の写真に見られるように、この公園にも高さ・幅ともに4mを超える高木の刈り込みが並ぶ。それぞれが一軒家ほどもある大きな立方体の刈り込みは、水平線の広がる風土ならではのものだろう。


幾何学で構成された公園と聞くと非常に冷たい印象を感じるかもしれないが、実際この公園を訪れるとその気持ち良さに驚かされる。
実際、パリ市民からも愛される公園のようで、見学した日にも大勢の家族連れが訪れていた。
広々とした空間と緻密な空間の絶妙な組み合わせが、開放感と親密な快適さを感じさせるのだろう。

洗練されたデザイン・詩的な美しさと快適性が両立する非常に興味深い公園で、このような公園を市街地に持つ街は本当に幸せだと思う。



 
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