今までに訪ね歩いた場所についての備忘録。
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世の中には不思議な人がいるものだ。

こけ山水美術園の運営をされている佐々木さんは、20年にわたって独学でコケの生育・研究をされた方で、実際に多種のコケを育て、野山を歩き、観察によって導き出された独特の論理には重みがある。

谷川に沿って作られた研究所には、ひんやりとした心地よい湿度の空気がたたずんいでいて、美しく育ったコケが不思議な静寂感を放っている。

野山の中でも、苔むした場所には不思議な静寂感・厳粛な雰囲気が漂っているものだが、コケがよく育つ空気には何か共通する成分のようなものが含まれているのだろうか。佐々木さんはそれを「ガス道」と表現されている。
屋久島を訪れたときも、厚くコケで覆われた森の中で同じ、不思議に深い空気が満ちているのを感じたことを思い出す。天を突く巨木の森は毛深く、柔らかな緑で優しく包まれているのだ。

鎌倉時代から室町時代にかけて発達した思索のための庭、「禅の石庭」にコケが使用されるのも、当時の作庭家がそのスピリチュアルな雰囲気を体験的に知っていたためかもしれない。

佐々木さんのお話を伺っているとコケへの愛情が強く感じられるが、哲学的な話にふれることが度々ある。
粘菌の研究で有名な南方熊楠も膨大な思想論を残しているが、菌類やコケなどの研究はその様な哲学を引き寄せるのだろうか。

佐々木さんはまた、コケと対峙してその美を鑑賞する方法を発案されているのだが、その様子を見ていると、かつて日本に生まれた数々の芸事の始まりを見るようでもあり、「心」を重視したその鑑賞法は非常に興味深いものだった。



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