今までに訪ね歩いた場所についての備忘録。
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太平洋に面するツバキの森。
その印象はクリムゾン (臙脂色) とターコイズブルー (トルコ石色) だ。

三月半ばの穏やかな春の日、細い山道を抜けて園を訪ねると、トウツバキの花がたわわに咲き乱れていた。

トウツバキは古くから中国・雲南で育てられてきた大輪品種をもとに改良された一群を指す。手のひらほどもある大きな花を咲かせる。
日本には各地にツバキ園があるが、寒さに弱いトウツバキが森のように育った景色は、椿町という町名を持つここ、南国ならではの風情だろう。

高い枝に咲いた大輪の重い花は下を向いて満開となり、見上げる鑑賞方法にふさわしい。地面には落花が色鮮やかに敷き詰められている。

明の時代、トウツバキは
「花は牡丹より大きく、その美しさは美玉か、雲を縫いとりした錦、輝く霞のようで目を奪われる※」
と評された。



四国では昔から「青石」と呼ばれる緑泥片岩が採れる。この地を流れる川や海は不思議な水色をしていて、輝くような明るい色彩が美しい。

そんな 「水色の郷」 を背景に咲き誇る紅い(あかい)トウツバキの姿は、あでやかで馥郁 (ふくいく) たる景色を創り出していた。

ツバキは樹齢の長い樹木。
現在は二代目の主人が熱心に椿園の拡張を続けておられるが、これから年月を経て、更に充実した美しい場所へと成長していくのだろう。




■椿自然園ホームページ■
※『雲南のツバキ』 中国雲南人民出版社編集 中国科学院昆明植物研究所編





| 日本 | |
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奈良・吉野山は世界に冠たる花の名所だ。
その吉野山に匹敵するほどたくさんのヤマザクラを見ることができる場所を、偶然見つけた。

岡山から米子を結ぶJR伯備線。その一部、高梁川に沿って走る区間の車窓風景は、深緑色をした川の対岸にヤマザクラの咲く山が、延々と数キロにわたって続く。
ベージュ色の山に、まだら模様で浮かび上がるヤマザクラは花色が濃いもの淡いもの、新芽が赤いものオレンジ色のものなど様々な固体差があり、見飽きることがない。

一部手入れの行き届いていない竹薮や砕石場で景色が途切れるのが残念だが、車窓からこれほど連続して野生のサクラを鑑賞できる場所は珍しいだろう。連続するサクラの山並は絵巻物や屏風絵を想わせる。



目的地だった備中高梁の頼久寺でこれらの山について話を伺うと、もともと雑木の多い山だが、サクラが増え始めたのはここ10~20年ほどとのこと。原因はよくわからない。

京都の嵐山は古くからサクラの名所だが、名勝指定を受けて樹木の伐採が禁じられたため遷移が進み、サクラの数が減ってしまった。人との関係によって変化する景色。
高梁川沿いでは何が起きているのだろうか。



帰路、電車の中から夕陽に染まった山を見ていると、帰宅途中の女子高生が 「ヤマザクラが増えたね。」 と喋っているのが聞こえた。
最近は男女を問わず、携帯でサクラを撮る中高生をよく見かける。
毎年サクラの時期に発表されるJ-POPが、サクラを愛する美意識を若い世代にも確実に受け継がせているのだろう。

J-POPとサクラの密接な関係。
古今和歌集の時代から続く 「歌とサクラ」 の関係を、形を変えて受け継いでいるのかもしれない。

J-POPでは咲き誇るサクラだけでなく、「舞い散るサクラ」 が頻繁に歌われる。まさに和歌の時代から続く美意識が、連綿と繋がっていると言えるのではないだろうか。



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