今までに訪ね歩いた場所についての備忘録。
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古くから人の住むインドネシア・ジャワ島にはジョグジャカルタとソロと言う二つの古都がある。ジョグジャカルタは日本の京都、ソロは奈良になぞらえられるが、チュト寺院は奈良にたとえられる古都ソロの街の郊外、標高3000mを越すラウ山の麓にあるヒンドゥー教の寺院だ。

日本では室町時代にあたる頃、ジャワ島に王朝を開いたヒンドゥーの人々はイスラム教徒に追われて山奥の僻地や隣の島・バリ島へ逃れた。
ソロの奥地へ逃れたヒンドゥーの教えは古くからの民間信仰と結びついたようで、このチュト寺院はアニミズム(原始宗教)の神秘的な雰囲気が漂う。

15世紀に造成された敷地はテラスが階段状に連なっていて、それぞれのテラスには魚や亀をかたどったレリーフが魔方陣のように配置されていたり、首だけの彫像が並べられたりしている。


階段と狭い門をくぐりながらテラスを進むと、板葺きの小さな祠がいくつもあり、その雰囲気はまるで日本の神社のようだ。
門は上へ登るほど小さく、狭く造られてあり、遠近法を利用して神聖な場所へ近付く雰囲気を演出している。


この寺院へ行くための道は細くて所々に大きな穴が開いている。乗用車のタクシーでは通ることができないためバイクタクシーを利用しなければならない。
ヘルメットを被らず、高原の涼しい風を直接顔に受けてバイクが走る。日本では考えられないような急斜面の畑を抜け、山道を歩く小学生や農家の女性達を追い抜いて行くと、遠く霧にかすんだ寺院が見えてくる。

この道のりの体験こそが、チュト寺院の魅力をより深く、大きいものにしている。
見渡す限りのお茶(ジャワティー)の畑、流れる雲、冷たい風、空気に吸い込まれる鳥の声、そういった諸々の要素こそが神殿への素晴らしいアプローチとなっているのだ。


(写真上左:考えられないような急斜面の畑  写真上右:バイクタクシーと友人二人  写真下左:魔方陣のような地面のレリーフ  写真下右:一面の茶畑)


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有名なアンコール・ワットが建設されてからすこし後、12世紀の後半に建設された寺院。 アンコールワットはヒンドゥー教の寺院だか、タ・プロームは仏教寺院として建設された。

他の遺跡とは違って修復時に樹木が取り除かれず、密林に覆われた雰囲気を残している。

雨あがりの朝もやの中、この寺院を訪れると不思議な雰囲気に魅了される。

ガイドブックには「自然の脅威を感じさせる熱帯の木々‥」などと紹介されるが、実際に訪れて感じるのは脅威よりも、時間と共に森に包まれていく優しい感覚だ。そして、その姿がとても自然に感じる。

様々な色の苔が壁の彫刻を覆い、さながら苔で出来たレリーフ(浮き彫り)のようだ。
敷地に残る暗いお堂の中を見上げると、天窓から遠く木漏れ日が揺れる。


自然の成り行きに任せたように見える寺院だが、実際にはこれ以上崩壊が進まないように補強や管理がされている。
その人為的な力と自然の力の微妙なバランスが、このあやうい魅力を産み出す理由なのかもしれない。


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近年、タイのバンコクはあちこちで大規模な再開発が進み、多くのデパートやショッピングセンターがオープンしているが、サイアム・パラゴンもその一つ。2006年夏にオープンした高級デパートだ。

スカイトレインの駅に接続された2階エントランスは4層分の吹き抜けのとなっており、池に設えられたゲート状のオブジェと、周囲の壁面は様々な植物で緑化されている。

日本にもフランス人植物学者、パトリック・ブラン氏による壁面緑化が金沢や大阪などに作られているが、この壁面緑化はそれらと比べても格段に大きく、緑が長く枝垂れる様子に圧倒される。
使用されている植物は、日本ではあまり見ることのできない多種の熱帯植物で構成されていて、温帯の国の住人の目には植物園のようだ。

昨今、日本では省エネの観点から屋上緑化や壁面緑化がもてはやされているが、日差しの強い熱帯の国でこそ壁面緑化をする価値があるのかもしれない。

熱帯雨林では、太陽エネルギーを一番利用しやすい樹冠(森の最上部)に沢山の生物が生息しており、つる植物や着生植物(高木の枝などにくっついて生育する植物)が多く生育している。

もし、高層ビルが密林の高木の役割を果たす様な都市緑化ができれば、温帯の国には真似できない風景を産み出すことができるかもしれない。
ランやシダなどの着生植物で覆われたビルが立ち並ぶ景色は、熱帯都市独特のユニークな生態系とランドスケープを産み出すことだろう。



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「東南アジアのホタルはクリスマスツリーの様に、光が同時についたり消えたりする。」
子供の頃そういう話を聞いて、ずっと見てみたいと思っていた。


マレーシアの首都クアラ・ルンプールの郊外にあるクアラ・セランゴールはホタルで有名な町だ。

夕暮れ、ホタルが住むという岸辺に着いて、四人乗りの小さな手こぎ船に乗り込む。暗い川の両岸には木の茂みが続いていて、木立の黒いシルエットが見えるだけだ。
一人の船頭によって漕がれる舟は、音も無く静かに流れる川面をゆっくりとすべって行く。
ふいに友人が「あっ」と声をあげた。

指し示す方向を見ると、暗闇の中にかすかな光が見える。
ゆっくりと進む船に身を任せていると徐々に光の数が増えてきた。暗闇に目が慣れる時間が必要だったのだ。
暗闇から浮かび上がってきた風景は、とても言葉にできないような幻想的な景色だった。

星のように小さな、そしてもっと柔らかな光が、一斉にふわりと光っては、フワッと消える。河辺に生える優しい枝振りの木は、細い枝の先まで無数に青白い光が散りばめられている。

「銀の雫(しずく)ふるふる まわりに」とは、知里幸恵の『アイヌ神謡集』の一節だが、そんな銀の砂が蒔かれたような景色がどこまでも続いている。

同行した友人がマレー語で船頭から聞くところによると、ホタルの光は川に沿って数十キロも連なっているらしい。その様子を想像するだけでも不思議な気持ちになる。

ここで味わえる景色は暗闇と豊かな自然、静かな音風景から成り立っていて、どれが欠けてもこの雰囲気は生まれない。十数年前から観光資源としてこの環境が保護されているそうだが、これからもずっと残っていてほしいと感じさせる光の景色だった。

(写真左)
ホタルを見るための船のりば。ホタルの写真撮影は禁止されている。
(写真右)
セランゴールへ行く時に買ったドゥクと呼ばれる果物。グレープフルーツのような爽やかな味がした。



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熱帯の輝く陽射しの中、緩やかな風に載って鮮やかな花車が通り過ぎる。




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日本の人力車が発祥と言われる自転車タクシー。独自に進化したその乗り物はアジアの各地で見ることができる。

インドのリキシャ、ベトナムのシクロ、インドネシアのベチャ、マレーシアやシンガポールのトライショーなど。
なかでもマレーシアの古都、マラッカのトライショーは独特だ。

街の中心部、オランダ広場はマラッカの観光名所が集まる場所で、観光客目当てに様々な造花で意匠を凝らしたトライショーが並ぶ。熱帯の強い日差しを受けて眩しいほどだ。

ロンドンの赤い二階建てバスやニューヨークの黄色いタクシーなど、街を特徴づける乗り物は世界各地にあるが、マラッカのトライショーは溢れる極彩色が街をいろどり、常夏の国の旅情を掻き立てられる。

スピードを追求しないその乗り物の速度に南国の長閑さを感じるのは、北の国から訪れた旅行者の勝手な思い込みだろうか。


中国文化とマレー文化が融合し、華やかな「ババ・ニョニャ文化」を産み出したマラッカ。
トライショーは近年とみに装飾が華美になっていると聞くが、またここから新しい文化が生まれていくのかもしれない。

 
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